まさか!?ヒップホップに公的資格が必要に。日本終了のお知らせ。
2015/10/29
ヒップホップなどの現代的ダンスが中学校の必修科目になった、というおかしなニュースに頭を傾げていた方も少なくないと思いますが、やっと合点がいきました。
どうやら、ヒップホップの指導資格を公的資格化して天下り先団体を構築したかったのではないか、といわれているようですが、これがもし本当ならば今まで聞いたことのある天下りの話の中でも最悪の部類に入ります。
後でも書きますが、そもそも天下り団体なんてものは本来国民の目に付かないところでこっそりと作らせていただくものであって、日本全国の中学生と中学校教員を巻き込んで、一大センセーションを起こしつつ、よりによってヒップホップという国家権力と縁遠いジャンルを引っ張り出して資格化してくるあたり、官僚としての美学すら感じ取ることができません。
この件に関して、みんなの党参議院東京都第二支部支部長の松田公太さんは、ブログで次のように話しています。
<その前にもくじ>
- ヒップホップダンスの公的指導資格が創設
- ヒップホップダンスの特徴
- 天下り先の構築にも実は最低限のセンスがいる
- ギャンブル関連の天下りと中学必修科目関連の天下りはわけが違う
- 消えてゆく資格もある
- 資格は誰のために必要なのか
- まとめ
ヒップホップダンスの公的指導資格が創設
ヒップホップに資格は必要か|松田公太オフィシャルブログ Powered by Ameba
ヒップホップに公的資格が設けられ、研修や試験料などに67,000円、そして毎年の更新料に12,000円もかかることとなりました。 ストリートダンスは自由な表現の世界であり、日本のお役所が型にはめて …
この話題はもともと上記の通り、松田公太さんのブログで知りました。
よりによってヒップホップを天下り先確保に利用するとは。。。
これが如何にばかげていることなのか、考えてみましたのでちょっと聞いてください。
ヒップホップダンスの特徴
ヒップホップダンスについては実は僕もあまり詳しくないのですが、ウィキペディアによると、
- これでなくてはいけない、といった決まりがない事が特徴である
- また時代によってスタイルが大きく変化することも特徴である
・・・、だそうです。
はっきり言って、今まで聞いたことある中で一番、必修科目にも公的資格にも向いていないジャンルですね。
僕はヒップホップダンスが嫌いなわけじゃありません。
むしろこういうクールなダンスは、選択科目としてとても良いジャンルだと、強く思います。
しかし、これを国家が必修科目化し、公的資格化すること自体がもう、クールじゃありませんよね。
天下り先の構築にも実は最低限のセンスがいる
官僚OBが毎日鼻くそをほじりつつ新聞を読みながら余生を過し、多額の報酬をこっそり得るための天下り団体。
悪事と言えど、これらを構築するにはそれなりのセンスが必要だと思うわけであります。
例えばパチンコ業界の景品交換システム(三店方式)やプリペイドカード関連の天下り団体、その他公営ギャンブル周辺の天下り団体など、大金が動くものの、法的にグレーで大多数の国民があまり関心を示さないであろう業界なんかは、天下り先構築にとても向いています。
本来は犯罪として処罰されるべき賭博を特権的に認めて、あまり裕福ではない客層から巻き上げたテラ銭の上前をはねるという行為は、ギャンブルをやらない大多数の国民にとってまことに関心の薄い話題です。
では、被害者である当の顧客層はというと、国政選挙の当日には競馬場やパチンコ屋に出掛けてしまって投票所には来ないわけです。
つまり、ちょっとくらい批判を浴びたところで官僚に対する圧力は(政治を通じては)どこからも生まれてこないという、素晴らしい仕組みになっているんですね。
ギャンブル関連の天下りと中学必修科目関連の天下りはわけが違う
前述しましたように、ギャンブルをやる人が搾取されているということであれば自業自得的な雰囲気が漂うわけですが、義務教育期間中である中学校の必修科目やそれに関連する公的資格となると、話は大分変ってきます。
検定受験者や研修受講者からお金をせしめたい、(誤解を恐れずに言うならば)たかがそのためだけに、日本全国の中学生や教員を含む一般的な国民を巻き込んでしまおうということになっています。
つまり、賭博のように日陰になっていないところでも堂々と爽やかに悪事を働こうということになっちゃっているわけです。
そして、それによって官僚OBが得る利益に比べて国民が被る影響が大きすぎることが問題だと思います。
たかが小銭を拾うために人に体当たりしてケガを負わせるような行為と似ていると感じるのは僕だけでしょうか。。。
まさに、昼間に堂々とお化けが出てきてしまったのと同じくらいの衝撃です。
消えてゆく資格もある
そして何より心配なのは、せっかく苦労してこの資格を取得し、毎年多額の更新料を収め続けた挙句に、突然ヒップホップダンスが必修科目から外れ、制度そのものが消滅してしまうのではないかということです。
もしそんなことになったら、今まで苦労してかけてきたお金と時間が水の泡になってしまいます。
ヒップホップダンス基本技能指導士の認定団体である職業技能振興会のホームページ(あまりリンクしたくないので探してみて下さい)を見たところ、トップページにこんなお知らせがありました。
2011/12/08
「動物関連技能」資格認定を終了します
平成23年12月をもって、「動物関連技能」(トリミング技能師、動物看護技能師、ペット販売技能師、ブリーディング技能師、家庭犬トレーニング技能師、小動物介護士)資格の認定を終了いたします。
さあ、こんなことになってもあなたはあきらめられますか?
僕だったらちょっと無理そうですね。ハンパなく落ち込んでしまいます。
資格は誰のために必要なのか
例えばお医者さん、人の生き死にに関係するので、いい加減な人になってもらったら困ります。
でも、人の生死にかかわらない弁護士になるための司法試験の方が医師国家試験より遥かに難しいのは何故でしょうか。
もちろん、刑事弁護については医者と同じくらい立派な人にお願いしたいですが、そもそも国家権力から市民を守るための人材が、能力とは別の次元で相対評価により人数制限されているのでは本末転倒ですよね。
そして、既得権を守ろうとするあまり市場そのものが縮小してゆく。これは囚人のジレンマに似ています。
あなたには、突然法的トラブルに見舞われたその時、お世話になろうと心に決めている弁護士はいますか?トラブルを前に泣き寝入りしている知人はいませんか?
これらは官僚というよりは日弁連のような政治的な圧力団体の活動による負の成果ですが、ヒップホップダンスの指導資格のように、退職公務員の再就職先確保のために作られたと思われる資格が、日本には多すぎると思います。
はたして欧米では司法書士や行政書士、税理士、社労士などという細かな独占資格が存在するのでしょうか。詳しい方がいらっしゃったら是非教えてください。
少なくとも日本では弁護士とその他の法律系士業との縄張り争いが絶えませんが、資格を細分化すればするほど、試験を実施する団体が増えるので、公務員の老後は安泰となります。
公務員として長年事務をやっていると、タダでもの凄い資格をもらえちゃったりしますしね。
まとめ
長文になりましたが、ここまで読んでいただきましてありがとうございます。最後の方は愚痴みたいになってますねw
最後は前向きに終わりたいと思います。
ずばり、今度選挙があったら、絶対に投票に行きましょう!!
よく分からなくてもいい、どこの政党の誰に投票してもいい。
投票日の夜は選挙速報番組を肴に美味しいビールを飲みましょう。
もし選挙に行かなかったら、それはあなたが一番嫌いな政党に一票投じたのと同じだと思ってください。
どうしてかということについては、(需要があればですが、)気が向いたら別の機会に投稿します。
ご清聴ありがとうございました。
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アディオス!